Tetsu=TaLowの雑記(はてブロ版)

しがない大学教員が琵琶湖のほとりから呟きます

ALS Ice Bucket Challenge by Tetsu=TaLow : Behind the Scene

昨日投稿したALS Ice Bucket Challengeビデオ、アップロードまでの経緯のメモ。もし今後こういうのを受ける人がいればご参考に。

  • 21日朝、仙石さんからFBでメッセージ。「どうもアイスバケツチャレンジが今夜あたり回ってきそうなんだけど、次受けてくれないか」という旨。いつか回ってくるだろうと思っていたけど早かったので驚きつつ、受けるよと即答。ただ22日は終日出張中なので余り早く回ってきても24時間制限守れないよ?と答えると、まぁ遅く回すよという返事。なら土曜の午後ゆっくりやればいいかと考える。
  • まず考えたのは、どうするか。「寄付せず3人に回す」「寄付して止める」「寄付しつつ回す」「寄付しつつ、ルールを勝手に変更して回す」。よくある「チェーンメール批判」に関しては個人的には結論が出てる。寄付することで止めることができる以上無限連鎖が止まる仕組みは元々あるのでチェーンメールではないし、その辺がよく解ってる人はルールを変更して次の指名を1人にしたりし始めているからこれはいつか止まるタイプだ。だから私も最初は誰か1人だけに回して「今後は1人です」って宣言する「寄付しつつルール変更して回す」案にしようかなと考えていた。
  • しかし寄付先を調べているうち、日本ALS協会がアイスバケツチャレンジに参加して3日しか経ってないことに気づいた。さらに見ているとちょうど寄付額が出てきた。3日で250万円の寄付。まぁ初動としてはいい成果ではあるけど、絶対額がちょっと足りない。ALSAが数十億集めていることに比べたらあまりに心許ない。まぁALSAが研究ファンドであるのに対し日本ALS協会は患者団体的な性格が強いようなのでその差はあるだろうが、日本ALS協会も研究基金を用意している。これは個人的には研究基金指定して寄付したい。よし日本ALS協会の名前を広める活動と捉えよう。ということで3人版のままで決行を決意。日本ALS協会の名前が目にとまるように、ちょっと工夫したいな…ということでビデオの出だしのネタを思いつく。少しパワポで試作するとすぐそれっぽいアニメが作れるとわかった。写真使用の許諾を先に仙石さんにとっておく。彼曰く「よくわかんないけどOK、ただ私LINE使ってませんよ」。
  • しかし3人集めるとなると大変。ボランティアは強制されてやるべきものではないので、事前ネゴは必須。ボランティアに理解がありそうで、かつ「寄付」「氷水」どちらか選択のために余計な障害がない人じゃないといけない。つまり、1万円or$100の寄付くらいでは動じないくらいには収入ある人で、かつ「顔出しビデオをYouTubeにさらすことができる人」、さらにできれば分野がそれぞれ違う3人を次に指名してくれそうな人から選ぶことが必要。ということでだいぶ悩んだ。それで該当しそうな人にいろいろ声をかけてみたが、案の定かなり断られた。人それぞれの考え方はあろうから、説得はせずすぐ引き下がった。しかし困った、これ想像以上に大変だぞ。
  • まぁ何にせよ寄付はするつもりなのでそちらを先に。最初ALSAに$50、日本ALS協会に5000円と思っていたが、ALSAは$50という選択肢がなく、$60があったのでそちらに。日本ALS協会には振り込んだ後、メールを送って研究基金に使途を指定しようかと思ったが、きっと急に寄付が殺到して事務負担も増えてるだろうしと直前で考えを改めて使途不問である旨をメール。
  • 最初は1人にしか回さないつもりで声かけをはじめていて、途中で3人にしようと考えを変えてしまったので1人しか集まらないうちに22日になってしまった。出張中は声かけも十分できないだろう。どうするかなぁと思いながら東京。新幹線内では仕事を片付けつつ、東京では会議をハシゴする状態でネットも十分見られない。で、会議と会議の間の移動中にFB見るともう仙石さん決行済み。うわ!早いよ!土曜の夕方くらいまででいいと構えていたのに昼過ぎがリミットということで焦る。だいたい土曜日は実家に帰る用事があるのでさらに時間が限られるではないか。まあ幸い仙石さんは次に回すにあたって何のルールも言わなかった。じゃあ24時間ルールも緩く考えてもいいか?
  • 会議中にもう一人から返事があり、これで2人確保できたけどまだ1人決まってない。きょうの会議はそのまま夜の懇親会があるのでその場で誰かに声かけしようかしらん?それともFBでフォロアーに広く声がけしようかな。いやまぁ2人に減らすというのも手か?考えているうちに夜になってしまう。懇親会終わっても決まってなかったらFBで募集だなぁと思ってたら、ダメ元でメール投げてた最後の一人から懇親会中に受諾のお返事。ありがたや。これで土曜の決行決定。
  • 朝起きてみたらもう、同時にバケツまわっていたおごちゃんが決行済み。私もやらなきゃなぁとか覚悟を新たにしつつ、家族を連れて実家に帰る必要があったので、実家で撮影することに。着替えだけ用意していって、実家でバケツと氷かりて昼食後、実家マンション内の広場でデジカメで撮影。撮影したのは妹(Canon PowerShot S110)、一発撮りなので失敗したときのために妻が隣でiPod touchで撮ってくれた。音声テスト以外はリハもしなかったので思いつきでしゃべっており、結構細部がボロボロ、テロップ入れて修正するか…という気になる。
  • とはいえ時間が無いのでUpしないと。実家でそのまま作業。まずOPを作る。PowerPointでざっくりアニメ作ってビデオとしてエクスポートして、ビデオ編集ソフトでつなぎテロップをいれる作戦。OPアニメ、最初背景色を黄緑で作ってたら横から覗いてきた妻が、LINEは背景が空色っぽくて吹き出しが黄緑っぽいとかツッコミを入れ出す。そこかよ。大人しく修正。
  • ビデオ編集は最初、Lifebook SH90/M附属のCorel DigitalStudioと思ったが、はじめて使うだけあってよくわからん!しばらく格闘して断念。Windows8系はMSのムービーメーカーがないので、ダウンロードから始める。泥縄。でもこれは何度か使ったので慣れてる。とりあえずテロップなし版を作ったところで24時間リミット越えてしまったので、あわててUploadBlogもざっくり大急ぎで書く
  • 夜、家に帰ってから再度ムービーメーカーを使い、字幕を入れた版を作って再投稿、blogも入れ替え。特に会社名間違えた丸山さんには申し訳ない。

ALSアイスバケツチャレンジがまわってきたので受けました

SNSの拡散力を考えたら遠からず私のところにも来るかなぁと思っていたら、思ったより早く来てしまいました。仙石さんからALSアイス・バケツ・チャレンジの挑戦を受けたので、受けて立とうと思います。
この活動、ALSという病気に対する認知を広げる上で大変うまく行っていると思うのですが、最近は批判もあるようです。もちろん難病はALSだけじゃないとか、今は日本にも支援を求めている人が広島や福知山、そして東日本大震災被災地にもいるというのは確かですが、一人の人がどうせ全部は出来ないのだし、それぞれの人が出来ることをやればいいのではないのでしょうか。ALSは、ホーキング博士が戦っておられる病気として有名ですが、彼のように進行が遅いのは幸運な例であって、実はALSが多くの人にとっては進行の早く5年以内に半数の方が亡くなられる病気であること、そして残念なことに治療法もなく、対処療法しかないということは意外と知られていないのではないでしょうか。私にとっては縁の深い土地である和歌山では比較的多い病気であることも、この病気に対する個人的な関心を高めているので、このバケツが回ってきたら是非協力したいとは思っていました。

ということで、次は是非つぎの3人の方に私の挑戦を受けて頂きたいと思います。

宜しくお願いします。

注:21:00 動画を字幕入りに入れ替えました

Mt.Gox社に対するDDoS攻撃という読売新聞報道に寄せたコメントの補足

本日3月9日付の読売新聞朝刊トップはこの記事でしたが
マウント社に「DDoS攻撃」毎秒15万回(読売新聞)
この紙面版には私のコメントが載ってます。ただ、記事全体と合わせると私のコメントの意図がうまく伝わっているかわからないので少しだけ補足します。

  • DDoSそのものと、Mt.Gox社からBitcoinが盗まれた?件は無関係なのではないかと思います。最初は関係があるかもしれないと思っていました。BitCoinプロトコルの実装の穴=取引展性問題(参考)を突いたとするとその攻撃がそもそもDDoSになったり、あるいは単純DDoSかけることで裁定を遅らせようとした可能性もあるからです。ですが、もしこの記事にあるハッカーの言い分が正しいとすると、ここまでできているなら直接不正アクセスで侵入して堂々とBitcoinを盗んでいる可能性が高いと思います。
  • DDoSに技術が要らないよ、とコメントしたのは、アングラにあるbotnetレンタルサービスとか使ってるかもしれないね、という意味です。
  • 技術誇示の愉快犯じゃないかなとコメントしたのは、すでに上述のように犯行声明的なものが出てしまっていることを根拠にしています。経済的利益を得ようというのが主目的ならそんなことはしないでしょう。Bitcoinを大量に保持していても現状は使い道が限られ、かといって一気に大量に現金化すると足がつくのでやりにくいため、現実的な経済的な利益はあまり大きくないだろうと思います。

なおBlockchainを追っかけるともっといろんな情報が得られるはずですが、私は主にサイバー攻撃という観点からしか見ていませんので、外している部分もあるかもしれません。チラチラ聞いている話ではどうもこの話、単純な不正アクセスによる窃盗では説明できない点もあるみたいなのですが、その辺はより深く追いかけている人から詳報が出てくるのを待つことにしたいと思います。

受験生に『セキュリティの研究がしたいのですが』と尋ねられました

こんな仕事をしてるとたまに、受験を考えている学生さんから直接ご連絡を頂くことがあります。本日頂いたのはズバリこんな感じのもの。

セキュリティの研究をしたいのですが、XX大学と立命館大学どちらがいいですか

ちょっとあなた(^^;そんなん私に聞いてXX大学って答えると思う?と思ってしまったのですが…まぁでも客観的にいってもXX大学は、大学院では情報セキュリティに力を入れてますが学部は昔の電気電子系の色合いの濃いカリキュラムでソフトウェア教育が弱く、あまりお勧めできないなぁ…と思ったので、こんな感じで返答しました。

とても残念なことに、日本には学部のレベルでセキュリティをしっかりと教えるカリキュラムを持っている大学は少ないと思います。すぐ思い当たるのは電気通信大学の情報理工学部総合情報学科がセキュリティ情報学コースを持っているくらいでしょうか。大学院はXX大学は情報セキュリティに力を入れていますが、最近は大学院は他大学に移るのも当たり前になってきていますから、大学院進学時に改めて考えてもよいと思います。
それより、セキュリティの前に、情報システムについて深く詳しく学んでおくことが非常に重要であると思います。情報セキュリティは情報システムの技術の本当に細部に至るまで理解していないと、なかなかその脆弱性の理解に至らないからです。この点では、情報科学に特化したカリキュラムを学部に持つ立命館大学の情報理工学部はかなり魅力があると思います。特に、1回生からみっちりプログラミングを教えるカリキュラムは非常に大きな力が付きます。今、ここまでプログラミングを集中して教える大学は珍しくなっていますので、貴重な存在です。私自身、去年立命館大学に移ってきたばかりなのですが、一昨年就職活動をして公募に応募する際に立命館を選んだ理由は、ここが一番セキュリティに向いた、情報システムをしっかりと教える学部教育のカリキュラムを持っていると感じたからでした。是非本学を受けてくださいね。お待ちしています。

もちろんセキュリティについて興味を持ってもらえるのは大変ありがたいですが、まずは地力が必要です。大学での教育では系統立てて情報科学、計算機工学の体系を教えてもらった方がいいでしょう。あとは暗号はやはり系統立てて覚えた方がいいですが、暗号関係は立命館含めどこの大学の学部でも科目くらいはありますから問題ないでしょう。
そのうえで、システムセキュリティやネットワークセキュリティについては自習していくのがいいように思っています。地力がつけばこの分野、自習の方がいいくらいですよね。どうせ変化の早い分野なのですから、大学の講義になる頃には内容も陳腐になっています。それよりは自習したり、勉強会に行ったり、セキュリティキャンプに参加した方がいいと思います。
研究になると大学院ですが、やりたいことを実現するにはどの大学院を選ぶ、というより「どの先生を選ぶ」という要素が大きいように思います。私も選んでもらえるような先生を目指したいものですが。

Windowsノート機で左CtrlとCaps Lockを入れ替えようとしたらハマった件(犯人はSynaptics)

というわけで新年早々、マシンの引っ越しをしていたのですが、久々にハマったのでメモしておきます。

私のような古い人間はAキーの左側にCtrlキーがないと何かと不便なので、新マシンを導入したらまずやることの一つがCaps Lockキーと左Ctrlキーの入れ替えです。世の中にはBIOS設定でこのキー入れ替えが出来る機種もあるらしいのですが(VAIOの一部?)、残念ながら私のはそうではないのでソフト的に解決しています。幸い、WindowsはNT系になってから、キーの入れ替えはレジストリエントリを1つ作るだけでできるようになりました。左CtrlとCaps Lockの入れ替えは

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout]
"Scancode Map"=hex:00,00,00,00,00,00,00,00,03,00,00,00,1d,00,3a,00,3a,00,1d,00,00,00,00,00

でできます(要再起動。.regファイルはここに置いておきましたのでご入用の方は自己責任でどうぞ)。このエントリの意味はgoogle:Scancode Map Ctrl Capsとでもすれば見つかります。このレジストリ変更を補助してくれるツールもいろいろあって、私がよく使っていたのは窓の杜で紹介されていたChange Keyというツールです。
Change Key - 窓の杜ライブラリ
さて本題ですが、いつものように新しいマシン(LIFEBOOK WS1/M)でこのレジストリ設定をしてキーを入れ替えて使い始めたら「Ctrlを押しながら左クリックができない」ことに気づきました。なんだろなと思って調べたら左Ctrl(物理的にはCaps Lock)を押していると、マウスカーソルが動かずマウス関係のイベントが全く発生しなくなるのです。それではと、キーボードクラスドライバの上でフィルタドライバとしてCapsをCtrlに置き替えるツールであるSysinternalsのCtrl2capを試したのですが症状は全く同じ。右Ctrlだと問題ないので、どうやら「ハードウェアキーとしてのCaps Lockが押されているとマウスイベントが発生しなくなる」ということが判明。
なんだこれとfacebookで騒いでいたら後輩がすぐに『なんとなく「キー操作中はタッチパッドを無効にする」みたいな機能がどこかにあってそれが影響してそうな?』とヒントをくれたのでそれを頼りに探したら、原因がわかりました。犯人はSynaptics製タッチパッドのデバイスドライバでした。
Synapticsの最近のタッチパッドには、キータイプ中に誤ってタッチパッドに触ってしまいカーソルが動いたり、果てはタップになってしまったりしないように、SmartSenseという機能がついてます。キーのイベントが発生すると一定期間タッチパッドからのイベントを無視するようにデバイスドライバが作られているようです。しかしこれを素直に実装するとShiftやCtrlなどの一部キーを押しながらのマウス操作(タッチパッド操作)が出来なくなってしまうので、これらのキーに関するイベントを例外処理することが必要になります。どうやらその例外処理がデバドラ内にハードコードされており、それがScancode Mapによるスキャンコード入れ替えより前に行われてしまうので、こんな症状が起きるのだろうと推測しています。確かにレジストリをつらつら見てたらi8042prtドライバの直後に噛んでるフィルタドライバSynTPってのがあるようで、この辺が犯人だろうと予想してます。
で、とりあえずの回避策ですが「SmartSenseをオフにしてしまう」ことで解決することが分かりました。コントロールパネルのマウスのプロパティからSynapticsのデバイス設定を起動。
f:id:tetsutalow:20140106175027p:plain
SmartSenseの設定を開いて…
f:id:tetsutalow:20140106170957p:plain
これをオフにしてしまいます。
f:id:tetsutalow:20140106171019p:plain
これで無事、Caps LockあらためCtrlを押しながらのマウス操作(タッチパッド操作)も出来るようになりました。
ただこのままだと当然、キーボード操作中にタッチパッドに触れてしまうことによる事故は防げないわけで、できればSynapticsになんとか対応して欲しいのですけれど、Scancode Mapを見てくれとお願いするのは可能でしょうか…

(1.9 SynopticsじゃなくてSynapticsと指摘されたので直しました。Synopitcsは別の会社でしたチョットナツカシイ(-.-; シナプスのSynapticsですねそりゃそうだ)

新年のメインマシン新調(LIFEBOOK SH90/M or WS1/M簡易レビュー)

新年明けましておめでとうございます。
立命館大学に移って最初の正月を迎えました。おかげさまでなんとか新しい環境にも慣れて参りまして、研究室も徐々に立ち上がってます。昨年配属された3回生が今年卒研を始めるので、彼らを連れて今年は学会などにも顔を出していこうと思っていますので、皆様よろしくお願いいたします。

さて、新年早々久々に記事書く割にはどうでもいい話なのですが、結構長く使ったメインノート機のLet's Note SX1をこの正月休み中に引退させることにしました。一番の理由が、ちょっとキーを1つ壊してしまったこと(キートップを外して掃除するときにちょっと失敗…情けない)。時々画面の広さがもう少し欲しいなと思うこともあった(最近仕事ででかいExcelと格闘することが多くて)のがもう一つの理由。さらに、Haswellを待ってたのでラインナップがそろった時点が買い替え時かと思っていたのもあります。とはいえお気に入りの機種ではあるのでサブマシンとしてまだしばらく使い続ける気ですが。
ということで昨年秋ごろには新機種選定に入っていました。私がメインマシンに求めるのは長年だいたい決まってまして、優先順位順に

  • できるだけ長いバッテリ持続時間(目標は実使用で10時間、学会などでほぼ終日コンセントが確保できない時や、米国へ飛ぶ飛行機の中でコンセントがある席が取れなくても使い続けられること)
  • 大きな主記憶(今なら8GBは最低必要)
  • 広い画面(これから買うなら1920x1080未満は避けたい…)
  • 大容量のHDD(速度より容量重視で500GB以上狙いなのと、何かあったときにHDDだとデータ復活などやりやすいので未だにSSDよりHDDを選びがち)
  • アナログVGAの直接出力があること(変換アダプターとか持ち歩くのが面倒なので)
  • バッテリが取り外し交換可能なこと(酷使するので劣化が早く退役前に数度バッテリ買い替えることがある)
  • 可能ならHDDの換装がしやすいこと(容量が足りなくなった時だけじゃなくて、SMARTで見てエラーが増えてきたら予防保守的に交換しているので)
  • 可能ならフロントカメラとマイクあり(最近Skypeなどの使用頻度すごく高いので)
  • 出来るだけ国内メーカー(ノート機くらいしかこの国は戦えてないところ、最近それも危ういので応援のつもりで)
  • 重量は2kg以下ならまぁいいや
  • 光学ドライブついてると少しうれしいかな(DVDでいい、BDはまだ要らない)
  • 鞄にギュウギュウ詰め込んでも大丈夫なくらい頑丈だといいな

という感じ。この条件によくマッチするのがやはりLet's Noteなので、最近はSシリーズやJシリーズ、SXシリーズを買って過ごしてきました(Jシリーズは特に気に入ってたのですが最近出なくなったのは残念ですね…)が、SXシリーズがなかなか解像度を上げてくれないのと、AXも魅力的だったんですがちょっと高すぎると感じて、ここ5年以上お世話になったLet's Noteにサヨナラして久々に他のシリーズにすることにしました。VAIO Duo 13やPrp 13も魅力的でだいぶ迷ったのですが、店頭で見てその剛性と超高解像なディスプレイに魅力を感じて選んだのが富士通のLIFEBOOK SH90/M。結果的に店頭モデルではなくWeb通販のモデルにしたので、型番が変わってLIFEBOOK WS1/Mです(なぜ型番を変えるんでしょう…ややこしい)。CPUをCore i7-4500Uに、メモリを10GB、HDDを1TBにして、ついでに予備のバッテリパック(L)を買っても合計193,670円。この内容にしてはまぁ安いんじゃないでしょうか。Let's NOTEにする前はずっとFMV LOOX TやLOOX Rをシリーズ買いしてた時期もあって(サポート記録調べたら合わせて2002年からほぼ毎年、6台も買ってました!)、富士通にはなじみがあります。
実は注文したのは11月6日だったのですが、届いたのが11月20日。その後も忙しくてなかなかマシン移行のチャンスがないまま1か月以上経ってしまいましたが、冬休みに意を決して環境の移行を開始しました。
というわけで、まだ使い始めたばかりなのですが簡単にレビューを。本機種は上記の条件を全て満たすという意味では大変満足しています。なんといっても画面が広い!広すぎて細かいので拡大を適当にしないといけませんが、PDFを見るときなどは大変見やすく助かります。加えてよいなぁと思ったのはとにかく剛性があるボディで、たいへん安心感があります。キーボードも、少しストロークが浅いかなと思いますが慣れれば大丈夫。SX1に比べると横幅に余裕があるのでキーピッチが変則になってないのはいいですね。
ただ、あえて難点を挙げると以下のことが気になりました。

  • バッテリが思ったより持ちません。私の実使用だと省電力モードにしても6~7時間くらいという印象。もちろんJEITA測定法は現実とかけなはれているのは分かってますけど、今までのLet's Noteに比べると、公称16時間のSX1が私の実使用で8時間十分いけたのに、なぜ公称21時間のWS/1がそれより早くバッテリーへたって来るの?という感じです。何が電池を食っているのか調べて最適化していこうとしていますが…。なおバッテリーがあまり持たないのはPC Watchのレビューでも指摘されていたところ。ただ、バッテリー交換可能*1なので、予備バッテリー持ち歩けば問題なく使えそうです。光学ドライブ外して補助バッテリーにすることも考えましたが、あまり容量が増えないので今回は避けました(そういや、かつてLOOX Tでは光学ドライブを補助バッテリーと交換して使ってましたが)。
  • 細かいことですがタッチパネルなので、ディスプレイとベゼルの間に段差がありません。このため、プライバシーフィルターをシールで張り付けるしかなく、着脱式にできませんでした。私は新幹線などでもずっと仕事してるのでプライバシーフィルターは必須なのですが、他の人にプレゼンなどする際にはよく取り外します。それができないのが少し残念。
  • 私はタッチパッドを小刻みに擦るようにして使う癖があって、そのためたびたびカーソル移動するつもりなのに小刻みすぎてタップと勘違いされてしまうので、タップ機能はオフにしてクリックを多用するのですが、WS/1のタッチパッドのクリックはかなり固めです。クリック時の音も大きく、キー打鍵音が小さいだけに目立ちます。会議中にクリックするのが憚られる感じ(まだやってませんが)。まぁせっかくのタッチパネルモデルですし、そういう時は画面タッチで逃れたらいいのかもしれませんし、この際訓練してタップ機能を使えるようにしたらいいのかもしれませんが…
  • オンボードのメモリが2GBってのは大変残念で、ここは頑張って4GBにして欲しかったです。そうすれば12GBまで拡張できたのに。まぁ10GBでも不足というわけではないですが、HDD使用だと大きければ大きいほどあり難いので。

もしこの機種を検討されてる方がいらっしゃったらご参考にどうぞ。

*1:但しホットスワップはできません。ACアダプタを繫いでいてもバッテリーを抜くと電源が切れるし、デフォルトでは電源ボタンを押してもハイバネーションしない(スリープするだけ)なのでご注意を。私もスリープ状態でバッテリ交換して失敗しました…

政府のオープンデータガイドラインに対してパブコメ提出してみました

ちょっとバズってしまったこのまとめ…
公務員が公開するネ申Excelが日本の生産性を落としている話 - Togetter
バズってしまったのでその責任取らなきゃなぁ(笑)と思って、霞ヶ関界隈でコソコソ活動していたのですが、なかなか出口が見えないでいたところ、内閣官房のIT戦略本部からこんなものが飛び出してきました。
「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(案)」及び「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)(案)」に関する パブリックコメントの募集について
これは…なかなか頑張ってるけど率直な感想として…意欲は買えるけど、正直求めてるものがちょっと一足飛び過ぎるんじゃないかと思いました。オープンデータ戦略としてはまずは公開のインセンティブを高めることが重要です。公開データの再利用性も大切ですが、「機械可読形式」という言葉を繰り返したところで担当官に正確に理解できる気がしません。おそらく作業を直接担当することになるであろう係長級から平官の人たちの一般的ITリテラシでは、このガイドラインのココロを理解できないまま見よう見まねでやってしまい、かえって混乱を増すんじゃないかとちょっと心配になりました。
なので、ちょっとエイヤとパブコメ意見を提出しておきました。ここに同じものを貼り付けておきます。

ここに来てオープンデータについて推進しておられること、大変心強く思います。
一方で本ロードマップ、ガイドラインについていくつか気になる点がありますのでコメント差し上げます。

ロードマップについて

2-(1)-丸2 具体的な取組 について
『二次利用可能なデータ公開を促進するため、公開データの二次利用により生じた損害に関する免責についても明確にすることとする。』この言葉で免責される主体が明確ではありません。文脈から免責されるのはデータ公開主体、つまり省庁側・国側であると思われます(ガイドライン側にはそれが明記されています)が、これをロードマップでも明確に書いて頂けないでしょうか。省庁側担当者側のオープンデータへの障害の一つは、やはりデータ公開によって生じた損害が国の責任に問われることにより本人の責任につながる、という構造のように思います。その免責を強く打ち出すべきかと思います。

2-(2)機械判読に適したデータ形式での公開の拡大 について
この項目を受けてガイドラインにおいて「機械判読に適したデータ形式」での公開という言葉が強く出すぎている印象を受けました。これが目立ちすぎますと、機械判読に適したデータ形式になってない・変換に手間がかかることを理由にデータ公開が進まないという逆の副作用が懸念されますし、高いエンドユーザコンピューティング能力を担当者に求めると、結局データ公開の作業をアウトソースするなどの原因となりコストが増します。大事なことは2次利用の拡大であり、機械判読に適したデータ形式での公開の拡大は2次利用の拡大のための手段に過ぎないと考えます。例えばこの項目を2-(1)の項目の下に置くか、順番をさらに後方にもっていくなど、優先順位を下げた印象を与える表現にして頂いた方がよいのではないかと思います。

2-(4)公開データの拡大 について
公開データの拡大には各省庁担当者の努力が求められるところですが、業務評価に繋がらなければその努力に見合うインセンティブを与えられないと考えます。データ公開が結果として二次被害的なことにつながり非難され責任に問われることが上記2-(1)の免責によって除外されても、やはり十分な担当者のインセンティブとはなっていないと考えられます。「担当者の業務評価に結びつけることにより、データ公開のインセンティブとする」ことを明記してはどうでしょうか。また、データ公開やその機械可読形式への変換に必要な担当者のICTリテラシ向上策も書き込むことはできないでしょうか。

ガイドラインについて

ガイドラインの書き方として、二次利用という言葉よりも機械判別可能形式という言葉が強く出過ぎているように思われます。機械判別可能形式がどのような形式であるかということが判断できるほどのICTリテラシが省庁担当者に十分あればよいのですが現状はそのレベルにはなく(そもそもそのレベルにあれば現在のような状況は生まれていません)、このガイドラインを正確に読み取ることが出来る担当者がどの程度いるのか不安があります。
そこで提案ですが、本ガイドラインは、以下のことを強く打ち出した書き方に出来ないでしょうか。
1.重要なことは二次利用であることを強く書く。そのことを強く印象づけるため、ケーススタディの前に「二次利用例」を入れる。
2.「機械判別形式にすることを強制」するガイドラインから、「データ形式と表現形式は別物であり、本来は基礎データがあってそれを自己再利用することで見やすい形式に変換するものである」という印象を強く与えるケーススタディにする。現在は1つのExcel表をひたすら機械判別に向いた形式に変換する結果、単に「見栄えを悪くする」方向に変換するように読めてしまうため印象が悪い。これを、別のシートを作ってそこに機械判別に適した表(生データシート)を作った上で、そのデータからの参照やExcelの機能等を用いて元と同じ「見栄えのする」表(印刷用シート)を作り出すようなケーススタディにする。これにより、担当者自らがデータの二次利用を行うことになり、そのベネフィットを感じられるようになるはずである。

以上、意見提出します。